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糖尿病の症状
糖尿病の治療

 

 一般的な治療には、食事療法、運動療法、薬物療法 があります。

糖尿病の食事療法

 糖尿病の原因やタイプにかかわらず、すべての糖尿病治療の基本となります。
 ポイントは
腹八分目とする。
ゆっくりよくかんで食べる。
1日3食バランスの良い食事をとる。
食物繊維を多く含む食品(野菜、キノコ、海藻)をとる。
間食や夜食、夜遅い夕食を避ける。
脂肪,塩分は控えめに。アルコールは適量に。

 適正な摂取エネルギーを設定します。
 主治医と相談の上で、
性別、年齢、肥満度、活動量、血糖値、合併症の有無などを考慮しながら、一日当たりの摂取エネルギー量を設定する。
設定したエネルギー量内で、炭水化物、蛋白質、脂質のバランスをとり、適量のビタミン、ミネラルをとるように心掛ける。
  (このとき食品交換表を参照すると便利)

糖尿病の運動療法

 糖の利用が促進され、インスリン利用効率が向上し、血糖が低下します。また筋肉の萎縮予防や骨粗鬆症予防にも効果があります。さらに心肺機能の向上や気分転換も期待できます。
 ポイントは
どのくらいの運動強度(運動の激しさ)にすべきか、主治医の指示を受けること。
 極端な高血糖状態、進行した網膜症や腎不全の合併、心肺機能の低下例、骨や関節の疾患合併例、などでは運動制限をしたほうが良い場合がある。
一般的には15〜30分程度のやや早足歩行を1日2回程度が適当とされている。
 また肥満例や腰、膝関節の病気を合併されている場合はプールでの水中歩行が望ましい。
少なくとも1週間に3日以上の頻度を心がけること。
血糖降下薬の中には運動中に低血糖になりやすくなるものがあり、注意を要する。(事前に主治医と相談すること)

糖尿病の薬物療法

 食事療法、運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な時は薬物療法を開始します。 基本的には少量より開始し、低血糖に注意しながら、空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1c、グリコアルブミンなどを参考にしながら増量します。 また効果が不十分の時は他剤と併用します。
スルホニル尿素剤(アマリール、グリミクロンなど)
 膵臓に作用し、インスリン分泌を促進します。作用時間が長いので低血糖に注意します。
速効型インスリン分泌促進薬(ファスティック、グルファストなど)
 膵臓に作用し、インスリン分泌を促進します。必ず食直前に内服します。
α-グルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、セイブル、グルコバイなど)
 糖の吸収を遅らせることにより、食後の高血糖を抑制します。  
必ず食直前に服用します。副作用として腹部膨満感、放屁、下痢が認められることがあります。
ビグアナイド(メトグルコなど)
 肝臓で作られる糖を抑制します。体重が増えにくく、肥満症例には特におすすめの薬です。
肝臓、腎臓機能の悪い方や高齢者には使用できません。
チアゾリジン(アクトス)
 組織でインスリンを効きやすくして血糖を下げる薬です。(インスリンの燃費効率を良くする薬)
 副作用で体がむくむことがあります。
DPP4阻害剤(グラクティブ、ジャヌビア、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリアなど)
 GLP−1受容体作動薬(ビクトーザ、トルリシティ、オゼンピックなど)
共にインクレチンという消化管ホルモン濃度を高めます。このインクレチンは膵臓に作用し、インスリン分泌を促進し、グルカゴン(血糖を上げるホルモン)を抑制することにより、血糖を低下させます
 また低血糖をおこしにくく、膵臓β細胞の保護作用も指摘されており、現在DPP4阻害剤は糖尿病薬剤の主軸になっております。
SGLT2阻害剤(スーグラ、アプルウェイ、デベルザ、カナグル、ルセフィなど)
血液中の糖を尿中に排泄し、血糖値を下げます。体重減少作用もありますが、副作用で尿路感染症や多尿とそれに伴う脱水、脳梗塞や心筋梗塞も報告されており、十分な飲水が必要です。若年から中年の肥満2型糖尿病が良い適応です。
インスリン療法 
 インスリンは体内で血糖を下げる唯一のホルモンです。
 下記の糖尿病の場合、血糖コントロールにインスリンが適応となります。
(a) 膵臓からのインスリンの分泌が低下している場合(1型糖尿病など)
(b) 昏睡(意識障害)、重症の肝障害、腎障害を合併している場合
(c) 重症感染症、大きな手術、食事療法中の妊婦の血糖が高い時
(d) 著明な高血糖(空腹時血糖250mg/dl以上,随時血糖350mg/dl以上)
(e) 経口薬では良好なコントロールが得られない時(飲み薬が効かない時,効きが不十分な時)など
 インスリンにはその作用時間で@超速効型,A速効型,B中間型,C混合型,D持効型に分けられます。
 インスリン療法では、@開始するタイミング A開始するインスリンの種類 B開始後の調節 Cその結果の血糖コントロール状況が大切です(これは経口薬でもあてはまります)。導入の先送りは得策ではありません。
 薬物療法は患者さんの肥満度、血糖コントロール状況、合併症の有無、年齢、などで個々に異なるためご相談ください。
(日本糖尿病学会編糖尿病治療ガイドより一部引用)

糖尿病シリーズは 下記のようなコラムを制作する予定でいます。

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